
カリキュラム
はじめに
全日本ドッグトレーニング協会(AJDTA)のカリキュラムは、単なる知識習得ではなく、「現場で再現できる実践力」の育成を目的としています。
犬の行動学を軸に、「環境・接し方・運動」を理解し、さらに「ビジネス・経営」までを統合的に学ぶことで、一人のトレーナーとしてだけでなく、一人の経営者として自立できる力を養います。
教育体系の全体像
| フェーズ | 学習領域 | 主な内容 | 学習期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 基礎期(第1〜3ヶ月) | 犬行動学プログラム | 行動科学・心理学・福祉の基礎。犬を理解する理論構築。 | 約3ヶ月 |
| 応用期(第3〜6ヶ月) | ドッグトレーニングプログラム | 環境・接し方・運動の三本柱を中心とした行動修正実践。 | 約3ヶ月 |
| 実践期(第6〜9ヶ月) | 現場実習・症例分析 | 実地実習、観察と行動改善記録。 | 約3ヶ月 |
| 発展期(第9〜12ヶ月) | ドッグビジネスプログラム | 開業・経営・マーケティング・マネジメントの体系化。 | 約3ヶ月 |
学習ステップ(STEP構造)
| ステップ | 学習内容 | 主なゴール |
|---|---|---|
| STEP 1:理解する | 犬の行動原理と感情構造を学ぶ | 行動の“原因”を分析できるようになる |
| STEP 2:実践する | トレーニング現場で観察・改善を実施 | 犬に合わせた指導法を選択できる |
| STEP 3:伝える | 飼い主への教育・カウンセリング技術 | 人の行動変容を促せる |
| STEP 4:築く | サービス・ブランド・チームを構築 | 継続的に事業を成長させる力を持つ |
プログラム別カリキュラム詳細
犬行動学プログラム(Behavioral Science Program)
犬の行動の背後にある「心理」「生理」「学習理論」を体系的に学ぶ基礎科目です。
科学的理解をベースに、問題行動の原因分析と予防の原理を身につけます。
主要カリキュラム項目
| 回 | 講義タイトル | 概要 |
|---|---|---|
| 第1講 | 行動の定義と分類 | オペラント・古典的条件づけの理解 |
| 第2講 | 犬の感情と学習のメカニズム | 感情が行動に与える生理的影響 |
| 第3講 | 環境要因と行動変化 | ストレス・刺激・社会化の影響 |
| 第4講 | 問題行動の原因分析 | 吠え・噛み・破壊行動などの背景要因 |
| 第5講 | 動物福祉と倫理 | 罰的手法を排したトレーニングの原則 |
| 第6講 | ケーススタディ | 行動評価シートの作成と分析演習 |
到達目標
- 行動科学に基づいて問題行動を説明できる
- 犬の感情を読み取り、行動予測を立てられる
- 科学的根拠に基づく提案・指導ができる
ドッグトレーニングプログラム(Dog Training Program)
「環境・接し方・運動」の三本柱を中心に、行動修正の実践力を高める中核プログラムです。
理論から現場実践まで、行動変化をデザインする力を養います。
主要カリキュラム項目
| 回 | 講義タイトル | 概要 |
|---|---|---|
| 第1講 | 犬の行動理解と観察法 | ボディランゲージの解釈としきい値の把握 |
| 第2講 | 環境設計と行動安定 | 空間・刺激・社会的要因の最適化 |
| 第3講 | 接し方と一貫性 | 飼い主の行動修正と信頼形成 |
| 第4講 | 運動による情動調整 | 身体活動が学習に与える影響 |
| 第5講 | 問題行動ケーススタディ | 吠え・噛み・分離不安の改善手法 |
| 第6講 | 飼い主教育の実践 | 指導法・説明力・心理的サポートスキル |
到達目標
- 三本柱を組み合わせた行動修正プランを立案できる
- 犬と飼い主の双方の行動変化を導ける
- 実践的な現場対応力を身につける
ドッグビジネスプログラム(Dog Business Program)
現場スキルを“収益モデル”に変換する応用科目です。
経営・マーケティング・チーム構築を通じて、「教える」から「育てる」へと進化します。
主要カリキュラム項目
| 回 | 講義タイトル | 概要 |
|---|---|---|
| 第1講 | ビジネス設計の基礎 | 犬業界の構造と事業モデル設計 |
| 第2講 | 集客とブランディング | SNS・LINEを活用した自動集客構築 |
| 第3講 | 価格戦略と利益設計 | 回数券・サブスク・単発販売の収益分析 |
| 第4講 | チームマネジメント | 採用・育成・評価制度の構築 |
| 第5講 | 法務とリスク管理 | 契約書・届出・動物取扱業の実務 |
| 第6講 | 事業拡張と独立支援 | FC・JV・ライセンス展開の理解と実践 |
到達目標
- 自社のビジネスモデルを構築できる
- 集客〜販売〜運営の流れを体系化できる
- チーム運営とスケーリングの基礎を理解できる
実習・演習構成
- 店舗実習:登園・トレーニング・カウンセリングへの参加
- 症例分析:行動改善レポート作成
- 同行実習:出張トレーニングの現場同伴
- ディスカッション:グループでの課題共有と改善策提案
- 事業設計演習:開業計画・PLシミュレーション
取得できる力(スキルマップ)
| 分野 | 習得スキル |
|---|---|
| 行動学 | 犬の行動・感情の理解と分析 |
| トレーニング | 問題行動の予防・修正・飼い主教育 |
| マネジメント | 人材育成・評価制度・業務設計 |
| 経営 | 収益モデル・広告運用・拡張戦略 |
| 倫理 | 動物福祉・LIMA原則・法令遵守 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 未経験からでも受講できますか?
A. はい。基礎から順を追って学べるカリキュラム構成になっています。
Q2. 実技はどこで行いますか?
A. 協会提携の実地店舗(東京DOGS各店など)で実施可能です。
Q3. 修了までの期間はどれくらいですか?
A. 個人差がありますが、平均して6〜12ヶ月を想定しています。
Q4. 資格は公的なものですか?
A. 協会認定資格として履歴書や届出にも使用できます。