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教育体系

全日本ドッグトレーニング協会

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はじめに

全日本ドッグトレーニング協会(AJDTA)は、犬と人がより良く共生できる社会の実現を目的に、科学的根拠と倫理に基づいた教育体系を整備しています。

カリキュラム全体像

AJDTAの教育体系は、3学部の学際的学びを通じて、
「行動を理解し」「実践で形にし」「社会に還元する」一貫したプロフェッショナル育成を目的としています。

学部学習目的最終到達
犬行動学行動を科学的に理解する理論的根拠の説明力
ドッグトレーニング学行動を現場で形成する安全で再現性ある技術力
ドッグビジネス学教育を社会に実装する持続的な事業構築力

カリキュラム構成

AJDTAの教育カリキュラムは、「学術」「実務」「事業」の3分野を統合した実践的教育体系として設計されています。

第1学部:犬行動学(Canine Behavioral Science)

犬の「行動の仕組み」を理解するための学問領域です。
心理学・行動分析学・福祉学など、すべてのトレーニング理論の基礎を成す内容を扱います。

目的
犬の行動を感情・環境・学習要因から科学的に分析し、
「なぜその行動が起こるのか」を構造的に理解できる力を育てます。

主な学習内容

  • 学習理論(古典的条件づけ・オペラント条件づけ)
  • 強化・弱化・弁別刺激の理解
  • 行動連鎖・般化・消去の原理
  • 行動分析とKPI(成功率・潜時・持続時間)
  • ストレス学・情動行動・ホルモンと行動の関連
  • 動物福祉学・ファイブフリーダム・エンリッチメント
  • 犬の発達心理と社会化理論

到達目標

  • 行動原理を理論的に説明できる
  • 感情状態と行動を区別して観察できる
  • 科学的根拠をもとにトレーニング設計を立案できる

第2学部:ドッグトレーニング学(Applied Training Science)

犬の行動変容を「実際に導く」ための応用領域です。
行動学の理論を現場実践に落とし込み、犬の学習を促進するトレーニング手法と安全管理を習得します。

目的
犬の行動を適切に形成・維持・抑制し、
安全かつ倫理的に行動変容を起こすプロフェッショナルスキルを確立すること。

主な学習内容

  • 強化スケジュール設計
  • 弁別訓練と刺激制御
  • 問題行動の評価と再設計
  • LIMA原則に基づく介入プロセス
  • ハズバンダリートレーニング(協力的ケア)
  • 飼い主指導・行動カウンセリング
  • 実技・安全管理・リスクマネジメント

到達目標

  • 犬の行動形成を数値基準で段階的に実施できる
  • 飼い主に対して再現可能な指導ができる
  • 福祉と成果を両立する安全な現場運営ができる

第3学部:ドッグビジネス学(Dog Business and Management)

教育と現場を社会に広げるための「実務・経営・発信」の学問領域です。
ドッグトレーナーが一生涯の職業として持続的に活動できるよう、経営・集客・ブランド形成・法務知識を習得します。

目的
「教育を仕事に変える」ためのビジネススキルを確立し、業界全体の発展に寄与できる人材を育てます。

主な学習内容

  • ドッグビジネス概論(市場構造・職域・収益モデル)
  • 集客理論とブランディング(SNS・HP・口コミ設計)
  • 顧客心理とリピート戦略
  • 法令・動物取扱業登録・コンプライアンス
  • 収益構造と価格設定(講座・店舗・ライセンスモデル)
  • チームマネジメント・教育運営・顧客体験設計
  • 倫理経営と社会的責任(CSR・動物福祉貢献)

到達目標

  • 自立した経営を行える事業設計力を持つ
  • 教育・講座・店舗運営を再現可能な形で構築できる
  • 社会的信用と倫理を両立したビジネスを展開できる

教育理念

AJDTAの教育は、次の三原則を軸に構築されています。

  1. 科学性(Science) 行動学・心理学・獣医行動学など、科学的根拠に基づく再現性ある知識を教授する。
  2. 実践性(Practice) 現場での安全・倫理・成果を重視し、行動変容の手順を数値化・可視化する。
  3. 倫理性(Ethics) LIMA原則、ファイブフリーダム、ハズバンダリーなど、動物福祉と人の倫理を根幹とする。

この三原則は、すべての講座・資格・実習・研究活動の基本指針として運用されています。

教育方針

AJDTAでは、「学問」と「現場」を結ぶ教育を実践します。

理論だけでなく、実習やケースワークを通じて、行動学的知識を現場で生かせるレベルまで定着させることを目的としています。

教育方針の柱は次の5点です。

  • 学習理論・応用行動分析(ABA)を体系的に学ぶ
  • 動物福祉と倫理を基盤とした実践を徹底する
  • 科学的根拠に基づいた再現性あるトレーニングを行う
  • 教える技術(ティーチングスキル)を養う
  • 現場・事業・社会貢献を視野に入れたプロ育成を行う

カリキュラム構成

AJDTAの教育は、段階的に設計されたレベル制(5ステップ)を採用しています。

レベル概要目的到達目標の一例
Level 1:基礎行動学・安全管理・LIMA原則の理解用語・原理の理解正の強化・罰・脱感作などを正確に説明できる
Level 2:実践初級基本的なトレーニング手順と観察技術再現性のある実技成功率80%基準で段階的練習を実施できる
Level 3:応用問題行動の評価・代替行動の設計臨床的思考力しきい値距離・潜時などを用いて計測できる
Level 4:専門・指導飼い主教育・カウンセリング・経営視点教育者としての統率力飼い主指導計画・講座運営を構築できる
Level 5:指導者/講師教育・研究・講師養成組織的リーダーシップ教科書・教材開発や後進育成を行う

コンピテンシー(能力基準)

当協会の教育体系は「5つの能力軸」で評価されます。

  1. 知識:行動学・心理学・獣医行動学・教育学の理解
  2. 技術:安全性・正確なハンドリング
  3. 判断:LIMAに基づくリスクと介入の最適化
  4. 倫理:動物福祉・法令遵守・社会的責任
  5. コミュニケーション:飼い主・多職種との協働と説明力

これらの能力を客観的に測定するため、講義・実技・筆記試験・ルーブリック評価を複合的に用います。

評価と試験制度

AJDTAでは、形成的評価(学習途中の支援)と総括的評価(資格認定)を併用しています。

  • 筆記試験(理解度・用語精度・理論再現力)
  • 実技試験(ハンドリング・マーカー遅延・成功率・安全性)
  • レポート(行動変容の再現性・記録の正確性)
  • 面談評価(倫理・説明力・判断力)

いずれも、教育委員会および倫理委員会の監督下で実施されます。

教員・講師制度

AJDTAの講師はすべて、以下の基準を満たした者のみが任命されます。

  • 協会認定資格を保有または認定講師
  • 実務経験2年以上または症例50件以上
  • 教育・指導・倫理に関する内部研修を修了
  • 行動科学・教育学・福祉学に基づいた教授法の理解

また、全講師は規定回数の研修を義務付けられ、教育法・倫理・安全・指導技術の更新を継続的に行います。

品質保証とガバナンス

AJDTAの教育品質は、以下の方法で保証されています。

  • シラバス・教材・評価指標の年次改訂
  • 委員会による教育現場監査
  • 外部顧問による第三者評価

安全管理と動物福祉

すべての教育活動は、LIMA原則およびFive Freedomsに準拠します。

犬が安心して学べる環境を確保し、痛み・恐怖・過剰拘束・高圧的指導などは一切排除します。

また、攻撃行動などの高リスク個体には、獣医行動学的評価を必須としています。

学習形式

多様なライフスタイルに対応するため、次の学習形式を提供しています。

  • 通学講座(実技重視)
  • オンライン講座(理論+ケース分析)
  • ハイブリッド講座(対面+オンライン)
  • 集中合宿型(短期集中プログラム)

各形式とも、学習の理解度・実技・フィードバック・評価が一貫して設計されています。

教育体系の意義

AJDTAの教育体系は、「犬の行動を変える」ことにとどまりません。

それは、飼い主を育て、社会を変える教育体系です。

トレーナーが科学・倫理・教育を正しく理解し、現場に還元することで、

日本の動物行動学・福祉・教育文化の発展に貢献します。

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