倫理規範 | 全日本ドッグトレーニング協会|国内屈指のドッグトレーナー養成機関

倫理規範

全日本ドッグトレーニング協会

倫理規範(LIMA原則・動物福祉・ハラスメント防止)

はじめに

全日本ドッグトレーニング協会(AJDTA)は、犬と人の幸福な共生を実現するために、教育・研究・社会貢献を行う専門機関です。

本協会に所属するすべての講師・会員・受講生・関係者は、犬の尊厳、人間の倫理、そして教育の公正さを守る立場にあります。

ここでは、当協会が定める倫理規範(Code of Ethics)を明文化し、行動の基準として公開します。

第1章 基本理念(Fundamental Philosophy)

1. 動物福祉の尊重

すべての教育活動・トレーニング・研究・発信は、犬の身体的・心理的な幸福を最優先に行う。

恐怖・痛み・脅迫・拘束など、動物福祉に反する方法は一切採用しない。

2. 科学的根拠に基づく実践

行動学・心理学・生理学・神経科学など、客観的な学術知見に基づき教育を行う。

経験や感覚に頼るのではなく、再現性のある科学的アプローチを重視する。

3. 教育者としての責任

講師・指導者は、言動・態度・表現のすべてにおいて教育者としての品位を保持する。

他者を尊重し、誤解や対立を生まない言葉でコミュニケーションを行う。

4. 公平・公正な評価

受講生・トレーナー・関係者の努力や成果を、個人的感情や関係性に左右されず公平に評価する。

評価過程の透明性と説明責任を重んじる。

5. 継続的学習と自己研鑽

教育・指導に携わる者は常に学び続ける姿勢を持ち、最新の研究・倫理・技術を吸収し続ける。

学びを通じて業界の水準向上に寄与する。

第2章 LIMA原則(Least Intrusive, Minimally Aversive)

AJDTAは、国際的な行動学倫理基準である「LIMA原則」を遵守します。

LIMA原則とは、「最も侵襲性が低く、嫌悪的影響を最小限にする方法で行動を変容させる」という行動倫理基準です。

LIMA原則に基づく5段階プロセス

段階内容指導方針
第1段階環境設定(Environment Management)問題行動を誘発しない環境を整える
第2段階強化スケジュールの設計(Positive Reinforcement)望ましい行動を報酬で強化
第3段階代替行動の形成(Alternative Behaviors)問題行動と両立しない行動を教える
第4段階感情の安定化(Desensitization / Counter-conditioning)不安・恐怖を軽減する段階的練習
第5段階制御介入(Least Aversive Intervention)適切に実施

すべての教育活動は、犬の安心・自発・理解を基盤に構築することを義務とします。

第3章 動物福祉方針(Animal Welfare Policy)

AJDTAは、国際動物福祉基準「Five Freedoms(5つの自由)」を教育・指導・実習に導入しています。

自由内容
1. 飢えと渇きからの自由適切な食事と水分の提供を確保する
2. 不快からの自由清潔で安全・快適な環境を維持する
3. 痛み・負傷・疾病からの自由医療的配慮・衛生・安全な取扱いを徹底する
4. 恐怖と抑圧からの自由恐怖や不安を与える行動・道具を用いない
5. 正常な行動を表現する自由社会性・遊び・探索・運動の機会を尊重する

これらの自由は、全ての教育現場・講座・実習・出張トレーニングにおいて必ず遵守されます。

第4章 ハラスメント防止・行動規範(Harassment Prevention)

1. 人的尊重

すべての会員・講師・スタッフ・受講生は、互いの人格と意見を尊重し合う。

相手の立場や背景を理解し、差別・偏見・攻撃的発言を行わない。

2. ハラスメント防止

以下の行為を一切禁止します。

  • セクシュアルハラスメント(性的言動・身体的接触)
  • パワーハラスメント(威圧・過剰指導・暴言)
  • モラルハラスメント(無視・陰口・人格否定)
  • アカデミックハラスメント(不公正な評価・立場を利用した強制)

違反行為が確認された場合、倫理委員会による聴取・警告・資格停止・除名の措置を行います。

第5章 倫理違反への対応

違反行為が確認された場合、協会は以下の段階的措置を講じます。

段階内容
1. 口頭/書面による警告軽微な違反や誤解に基づく行為への是正勧告
2. 一時資格停止一定期間の活動停止(教育・指導業務の一時制限)
3. 資格取消/除名処分倫理基準に反する重大行為(暴力・虚偽・ハラスメント等)
4. 関係機関への報告必要に応じて行政・動物取扱業登録機関へ報告

再教育プログラムの受講を通じて、再認定の機会を設ける場合もあります。

第6章 継続的見直しと教育

この倫理規範は、社会状況・法改正・教育実態の変化に応じて定期的に更新されます。

全会員・講師・受講生は、毎年度更新時に同意確認を行うものとします。

また、講師・職員を対象に定期的な倫理教育研修を実施し、LIMA原則・動物福祉・ハラスメント防止の再確認を義務付けます。

終わりに

AJDTAは、犬と人、そして教育に関わるすべての人々が「安心・安全・信頼」に基づいて学び合える環境を提供します。

倫理とは“ルール”ではなく、“信頼を築くための約束”です。

私たちはその約束を守り続け、犬と人のより良い未来を共に創造していきます。

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